顧客利益と収益の狭間で②
(続き)
いざ入社してみると、「お客様のために」なんて思っていると、とてもじゃないけど気持ちが持たないような実態がありました。基本的には投資信託や生命保険など、手数料を取る商品販売目標があり、それを達成できるかがその人の評価に直接つながります。達成できない場合は肩身の狭い思いをします。そうすると、「本当にこの商品はお客様に必要か」なんて考えずに、どこかで気持ちを割り切って、営業していくことになります。
先輩方は「あんまり気にすると病気になるから、気にしない方がいいよ」と言います。それに就活の時点で、こういう現実があることはしっかりわかっておくべきでした。銀行は融資の本業では稼げず、手数料ビジネスに移行している。当時、頭では分かっているつもりでしたが、なんとなく楽観的に考え、就活を終わりにしたい気持ちが勝っていました。「入ってみないとわからない」そう言って、思考停止してしまいました。
今の私が取るべき行動は何なのか。少なくとも、このように後悔や反省の弁を書き連ねることではありません。
1.さっさと見切りをつけて転職する
2.今の仕事で突き抜けた人材になる
のどちらかでしょう。
1を選ぶなら、その選択が現状からのただの逃避になっていないか検証し、転職の理由を自分の言葉で語れるようになる必要があります。
2の場合は、今の気持ちのままでは無理です。そもそも仕事はお金を稼ぐためのもの。「お客様のため」という理由だけでするものではなく、「自分のため」という理由があることを素直に受け入れることから始めた方がいいのかもしれません。
いずれにせよ、悩むのではなく考え、自分の気持ちにじっくり向き合おうと思います。中途半端にならず、自分の心がワクワクする選択を自信を持ってできるようにしたいです。