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文章を書く練習をしています。

ただの銀行員1年目が、コルクの佐渡島さんと幻冬舎の箕輪さんに会えた話

某銀行の関西の支店に勤める私は、昨年12月に転職を考え始め、1月もいつの間にか後半になっていました。今日は、会社の有休を取り、あるイベントのために東京まで行った時の話です。

 

去年の終わり頃、私は今の仕事を続けていくことに違和感抱き、転職を考え始めました。どうせ働くなら、自分の好きなことを仕事にしたい。そう思い、志したのは編集者。理由は、端的に言えば「本が好きだから」。非常にありきたりな理由です。もともと大学時代の就活では、新聞社やテレビの記者、出版社を受験しましたが、大手にこだわったこともあり、内定が一つも出ず。「自分には向いていないのかもしれない。」典型的な大手志向の学生だった私は、そう自分に言い聞かせ、今の会社に入りました。

 

ずっと気になっていた会社、コルク

しかし、入社してからもずっと、メディアに携わる仕事がしたいという気持ちは消えませんでした。そして、出版業界の中でも、ずっと気になっている会社が1つありました。「ドラゴン桜」や「宇宙兄弟」をヒットさせた元講談社の編集者、佐渡島庸平さん(@sadycork)が代表を務める株式会社コルクです。

コルクは、「クリエイターが生み出した作品を、世に届け、後世に残す」ことをミッションにして、作家さんのエージェントとして作品の様々なプロモーションやWebサイトの運営をしています(ざっくりしすぎた説明で申し訳ありません)。

たとえ面白い本を作ったとしても、大量の情報にかき消され 、読者まで届かない。本を作るだけでなく、売る方法まで考えなければならないのが今の出版業界です。佐渡島さんは、「作品をつくったら、それをコミュニティに届けて、そこで話題にして、世間も興味を持つようにしなくてはいけない」と言います。

コルクのことがずっと気になっていたのは、大学時代、佐渡島さんの著書「僕らの仮説が世界をつくる」を読み、時代の先を見通す目と、ルールに縛られず、ルールを作る側に回るという発想に衝撃を受けたからです。一方で、「ただ本を作るだけじゃ稼げない。出版社に入っても、こういう人でないとこの先厳しいんだろうなあ」と、出版業界への就職に対するネガティブなイメージを強めたのでした。

 

コルクラボに参加したい!その一心で行動を起こす!

コルクでは、そのコミュニティ作りを学ぶために、コルクラボを運営しています。一般から参加者を募り、様々な業界の方がコミュニティ作りを自発的に学んでいます。作家さんを招いて講演会をしたり、自分たちでプロジェクトを立ち上げ運営したりと、仕事でもないのに自らの学びのためにここまでできる方々を、私は心から尊敬し、羨ましく思っていました。

 

どうしてもコルクラボに参加してみたい!募集要項を見ると、そこには会員からの紹介制との文言が。何のつてもない私はツイッターを始め、コルクラボの方々を勝手にフォローしました。すると、その中の1人の方から、気まぐれにフォローバックが!舞台関係の仕事をされている矢口さん(@tatsuya_yaguchi)です。私はすかさずダイレクトメッセージを送りました。正直、素性もわからない自分に対して返信なんてないだろうと思っていました。しかし、矢口さんは親切にも返信してくださり、さらにスカイプでお話しまでしてくだいました。コルクラボの具体的な活動内容について教えていただだき、なんと「ぜひ1度見学にいらしてください」と声をかけてくださったのでした。 

 

コルクラボの活動は水曜日。大阪で仕事をしている私は、半期に1度しか取れない有休を使い、転職の面接も兼ねて東京へ行きました。2社の面接を受け、19時前に渋谷駅で矢口さんと待ち合わせをし、会場へ。場所はBOOK LAB TOKYOです。矢口さんは想像通り、優しくて頼りがいのある方でした。そして、会場に着くと、そこには憧れの佐渡島さんが!佐渡島さんは、初対面の私にも気さくに話しかけてくださいました。

 

 今回のコルクラボは、「多動力」や「お金2.0」の編集者として一躍時の人となっている幻冬舎の編集者、箕輪厚介さん(@minowanowa)、マッキンゼーリクルートGoogleなど名だたる企業で活躍されてきた尾原和啓さん(@kazobara)、そして佐渡島さんの3人の対談形式。箕輪さんが編集を務めた尾原さんの著書「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書」について、製作過程から本の内容まで語り合うというものでした。 3人のお話はとても刺激的で、現在の仕事にモチベーションが持てずに転職を考えている、まさにこの本のターゲット読者層ドンピシャである私には、突き刺さる内容ばかりでした。

 

3人の対談の最後には、周りに座っている人と感想を話し合い、何人かが発表する機会がありました。私は、いつもは人前で話すのを好まないタイプの人間ですが、せっかく大阪から来たのだからと、矢口さんに背中を押してもらい、「はじめまして!今日は大阪から来ました!社会人1年目で、今は銀行で働いてますが、転職を考えています!銀行のモチベーションの持たせ方は、、、」と僭越ながら皆さんの前で意見を述べる機会も頂きました。

 

箕輪さんからの金言

対談後の懇親会では、意見を発表したこともあり、多くの方とお話しする機会がありました。そして、あの箕輪さんとも直接お話しをすることができたのです。私はチャンスが来たと思い、

「編集者になろうと思い、今は転職活動をしています」

と言いました。すると箕輪さんは、

今は個人の実力の時代だから、いくらでもSNSとかで自分のやりたいことをする方法がある。編集をやりたいからって会社に属しようとするのは違うんじゃない。

とおっしゃいました。

私は「なるほど。。。」としか言えず、それに反論しうる自分の考えを持っていませんでした。なぜ編集者になりたいのか。編集者になって何がしたいのか。本を売るアイディアがあるのか。編集者になりたいというくせに、具体的な考えを何も持っていない自分の浅はかさを思い知りました。

 

その後、箕輪さんと話をしている流れのまま、箕輪さんと佐渡島さんの仕事の打ち合わせが始まりました。なんと、私は箕輪さんと佐渡島さんの間に座って話を聞くことができました。他にも周りで聞いている方々がいて、中には一緒になって議論している方もいましたが、私はとても入っていけませんでした。しかし、一流の編集者同士が、なんとか面白い作品を作ってやろうと知恵を絞り、本音で語り合う姿を、私はこの先もずっと忘れません。お二人とも、本当に思っていることしか話さない、ピュアな方でした。

 

コルクに入る夢、破れる

懇親会も終わり、皆さんが帰り始めた頃、私は佐渡島さんに話しかける機会を伺っていました。私は、なんとかしてコルクのインターンとして採用して頂けないかと考えていたのです。事前にコルクのインターン応募は済ませていましたが、返事はありませんでした。今日、直談判するしかない!コルクラボに行ったのはこれが目的でもあったのです。佐渡島さんが1人になったタイミングを見計らい、私は話しかけました。

「コルクは今インターンは募集してないんですか?応募したんですが。」

「学生だけだなあ。」

「そうですか。。。」

私は、いとも簡単に引き下がってしまいました。今思えばこの時、「どうして学生だけなんですか?」「面接だけでもして頂けませんか?」と食い下がることはできたはずです。編集者になろうとしている人間なら、佐渡島さんを口説き落とすくらいの熱量がないといけません。しかし私は、いつもの消極的な自分になってしまっていました。また、箕輪さんと話したことで、「自分は、新しい時代の編集者になろうという熱量と考えを持ち合わせているのか」と疑問を抱いてしまっていたのでした。

こうして私は、佐渡島さんや箕輪さんに会えた嬉しさと、今の自分では何も起こせないという悔しさを抱き、大阪行きの深夜バスで家路につきました。

 

行動することのみに価値がある

今回のことで分かったことは、行動を起こせば会いたい人に会えるということ。いくら会社でくすぶっていようが、行動すればどんどん世界が広がる。自分の居場所が、生きていく方法が、世間には他にもたくさんあると思える。それに気づけたことが大きな学びです。一方で、人生のチャンスは行動すれば意外と転がっているものの、それを何としてでも掴み取るための準備と熱量が必要であることも身をもって学びました。

 

この日から1週間以上が経ってしまいましたが、私はまだ何も先に進めていません。今の仕事はやりがいを感じる部分もあり、成長できているとも思いますが、この先も心から続けていきたいとは思えません。かと言って、やりたいこともまだぼんやりとしています。そうして、決断を先延ばしにする。今の状態は、精神的に良くないし、一緒に働いている人にも失礼だし、何も掴み取ろうとしない甘えた姿勢です。自分を信じてどこかでリスクを取らないと、やりたいことなんてできないことにはもう気づいています。

悩むのではなく、考えること。

深刻にならず、真剣になること。

どこかで拾ってきた言葉ですが、考え込んでしまう性質の私は、いつもこう言い聞かせています。行動することだけに意味があることを知った今、この気持ちが枯れないうちに、次の行動を起こしていきます。

 

佐渡島さん、箕輪さん、矢口さん、コルクラボでお話ししてくださった皆様には心から感謝しています。本当にありがとうございました。自分がこの先何をするにせよ、好きなことで生きていく方法があるのだと確信が持てました。またすぐに会いに行くのでよろしくお願い致します。